システムを利用すれば、感情や運といった要素を排除してトレードを行うことができる



テクニカルを主体とするトレードを行う場合、よく用いられる手法として、システムトレードがあります。システムは定められた通りに売買を行うので、一切の感情を排除して機械的な取引を行うことができます。


相場観を抱かずに純粋にメカニカルなシグナルや固定化されたシステムを利用すれば、その結果が運によって左右されることは少なくなるでしょう。

仮に長期に渡って負け続け資産が減ってしまったとすれば、そのシステムを作成する際に用いた考え方、アルゴリズムが間違っていたことになります。










自分がどんなトレーダーなのか理解しよう



一言でシステムと言っても色々な種類があり、どのシステムを利用するかは、自分がどんなトレーダーなのかを理解するべきです。自分の用いているシステムを完全に信用するためには、そのシステムが自分の思想に基づいたものである必要があるからです。以下の項目に答えることで、自分のトレーダー像が分かってくると思います。

・小さな勝ちを積み重ねるタイプか、大相場を取るか
・デイトレか、スイングか、もっと長期的に保有するか
・ブレイクアウトを狙うのか、トレンドを追いかけるのか
・アグレッシブか、リスク回避的か
・どのくらいの頻度でポジションを持ちたいのか(一日に2,3回か、それとも1週間に1回トレードが出来れば満足か)


質問によっては意味が重複しているものもあるかもしれませんが、自分が相場に何を求めていて、どんなシステムを構築すべきか、その傾向が診断できると思います。











様々なトレーディングスタイルとシステム



自分のトレーダーとしての性格が分かったら、今度は自分にあったシステムの選択、もしくは構築です。既存の自動売買ソフト(EA)やインジケーターを利用してもいいですし、1から自分でルールを作成するのも面白いです。


①トレンドフォロー型

相場にトレンドが発生している時に用いられるシステムです。

現在の相場にトレンドが発生しているかどうかは、指標にするチャートの期間の長さによって判断が変わります。15分足でみれば、移動平均線もトレンドラインも上昇トレンドを形成しているが、日足で見てみると下降トレンドを形成しているということはよくあります。

一般的に長期的なチャートを参考にするほど形成されたトレンドの信用性は高く、逆に短期的なチャートほどすぐにトレンドが反転しやすいです。短い時間足でみればみるほど、現在トレンドが発生していると勘違いしやすくなります。しかし、短期的なチャートを参考にし、小さな波で何度も取引をして勝ちを積み重ねた方が最終的な合計pipsは当然大きくなります。

つまり時間足は自分のトレードスタイルにあった期間を選択すべきというのが結論です。これはトレンド以外のシステムを使う場合も同様ですが、スキャルピングでもしないかぎり5分足や15分足など極端に短い時間足での取引は値動きのランダム性が高いのであまりオススメできません。

トレンドフォロー型のシステムは売買の条件付け、つまりプログラミングが難しいですが、基本的に使うインジケーターは移動平均線とトレンドラインのみです。具体的に行わせる処理は、移動平均線の短期線と長期線がクロスした場合に、買いもしくは売りのシグナルを出させます。





②ブレイクアウトシステム

現在継続中のトレンド、レンジ相場が終わり(高値や安値がブレイクアウトし)、新たなトレンドの発生と同時に仕掛けることができます。ブレイクアウトする瞬間を見極めるシンプルで効果的なシステムがブレイクアウトシステムです。

ただし実際の相場にはダマシが多く、間違ったタイミングでシステムがシグナルを出し、高値で買って安値で売ってしまうような危険性も孕んでいます。たとえダマシに引っ掛かったとしても、すぐに損切りをして1回か2回確実なトレードができれば十分利益は確保できます。当然精度が高いに越したことはありませんが、本物のブレイクアウトを見逃さないことが最も大切です。





③オシレーター系システム

トレンドによるトレードは最も堅実でリスクが低いと言われていますが、それでも底で買って、天井で売るというやり方を続ける人は多いです。そんな相場の反転、底、天井、をうまく拾おうとするカウンタートレーダーにおすすめなのがオシレーター系システムです。

うまく底や天井を見極めなければ損をしてしまう可能性もあり、リスクのある手法ですが、大きなメリットもあります。「相場の7割はレンジ相場」と言われており、実際に取引を行っていて大きく分かりやすいトレンドが形成されることは稀です。仮にトレンドフォローのみで取引を行う場合、1週間で一度もポジションを持てないなんてことも頻繁に起こりえます。オシレーター系システムの場合は使う時間足にもよりますが、レンジ相場でもシグナルを出してくれるので、デイトレや1週間の内で何度も取引をするなど短期型のスイングを行うことができます。

ではオシレーター系システムがどんな条件で買いや売りのシグナルを出すのかというと、「一定期間に売買された動向をみて、現在の相場が買われ過ぎか売られ過ぎかを判断」しています。レンジ相場では値動きが予想レンジ幅を大きく外れた場合、時間と共にレンジ幅内に回帰していきます。そこで売られ過ぎ水準で買いシグナルを出し、買われ過ぎ過ぎ水準で売りシグナルを出し、取引を行うことで利益を出します。











テクニカル分析とEAを使ってトレードする



自分がどんなスタイルでトレードを行いたいかが決まったら、次は具体的にどうやってトレードを行っていくかを決定します。方法としては2つあり、一つ目はMetaTraderに標準搭載されているインディケーターとそれを利用したテクニカル分析によってトレードする方法です。

ポジションを持ったり、決済を行うタイミングの判断は最終的に人の手に委ねられるので、完全なシステムトレードではなく、広義では自己裁量によるトレードということになるかもしれません。

テクニカル分析と言ってもその手法の数は多く、トレーダーはその中から先ほど分析した自分にあったトレーディングスタイルに準拠した手法を選び取る必要があります。

様々な手法の中から、いくつか例を紹介します。






ダイアゴナル・トライアングル
ダイアゴナル・トライアングル

ダイアゴナル・トライアングルは図のように、上昇トレンドのときは斜め右上をさす三角形となり、逆に下降トレンドのときは斜め右下をさす三角形となります。トレンドが高値と安値で切り返しを繰り返していくとしだいにその上下幅が小さくなっていきます。


幅が限りなく小さくなり、三角形の頂点にチャートが触れるあたりでそのトレンドが終わりを告げることを示唆しています。トレンド相場に必ず出現するわけではありませんが、仮に出現した場合には、そのトレンドがその地点で転換することを表します。

上昇トレンドならチャートが前回の安値を割りはじめ、下降トレンドなら前回の上値を更新するようになれば、そのトレンドが終わりブレイクアウトが起こっていると考えられます。一旦ブレイクアウトが起きると、トライアングルの開始点まで戻るというのが一般的です。

逆に、上昇トライアングルの予想上値を大きく更新する場合があります。これはスローオーバーと呼ばれる現象で、新たに強いトレンドが始まったのだと捉えることもできますが、ほとんどの場合これはそのトレンドの最後の輝きであり短命に終わることが多いです。トレンド追いかけていたトレーダーにとっては有力な利食いポイントとなります。







移動平均線のクロス

移動平均線のクロスは現在の相場にトレンドが発生しているかを知るための最も一般的な指標のひとつです。指定期間の短い移動平均が長い移動平均を上抜けた場合、それは上昇トレンドが発生していると考えられますが、そのサインの中でもより信頼性の高いものを指標としてエントリーするこが高確率トレードにおいて大切です。


①信頼度の高いサイン
・上昇している長期線を短期線が上抜けた時(ゴールデンクロス)
・下降している長期線を短期線が下抜けた時(デッドクロス)

これらは有効な建玉のサインです。長い陽線が横ばいから上昇に転じた時点で短期線が上抜けている、つまり長期線が上昇に転じてからまだ目が浅いうちに生じたゴールデンクロスというのは、トレンドの発生を示しており、長、中、短期間でのトレンドの方向が揃っているということなのでかなり信頼性の高いトレンドの発生地点を発見できたことになるのです。デッドクロスの場合はこの逆で、長期線が平行から下降に転じてまだ目が浅いときに短期線が下抜けたということは同じく信頼性の高い下降トレンドの発生地点であるという可能性が高いです。



信用性の高いゴールデンクロスの例
移動平均のクロス 信用性高い

赤:21日線   青:63日線
緩やかに上昇中の63日線を21日線が上抜けています

②信頼性の低いサイン
・長期線が下降しているときに起こるゴールデンクロス
・長期線が上昇しているときに起こるデッドクロス

長期戦とは逆方向に短期線が動きクロスした場合、そのサインはトレンドの発生を確信しエントリーするには信頼性の低いサインだと言えます。短期的には価格が上昇している場合でも、中長期的に見れば下降トレンドの最中であるということです。一般的にトレンドラインは見る時間足の長さが長いほど信頼性が高く、短い足になるほどその信頼性は低くなります。こうした短い時間足で発生したトレンドとゴールデンクロスというのはダマシであることが多く、長く続く上昇ではないことが多いです。



信用性の低いゴールデンクロスの例
移動平均線のクロス信用性低い
赤:21日線   青:63日線

下降中の長期戦を何度か短期戦上抜けていますがすぐに押し返されています。
このように下降トレンド中に生じる小さな価格の上昇はダマシであり短命で終わることが多いです。


ここで紹介した以外にも様々なテクニカル分析手法が存在しており、それをインディケータを利用してチャート分析するのは多くのトレーダーにとっての正攻法でしょう。しかし、この手法の欠点はエントリーおよび決済する瞬間を自分で判断しなければならないという点です。IFD-OCO注文を入れておくという方法がありますが、どちらにせよ長い時間チャートを見極め監視し、十分な戦略と分析を行う時間が必要となってしまいます。


こういった問題を解決してくれるのがEA(Expert Advisor = 自動売買ソフト)です。多くのFXブローカーではプラットフォームとしてMeraTraderが使用されており、MetaTraderで使用できる有料もしくは無料の優れたEAがたくさん公開されています。EAはトレーダーがモニターに張り付き自分の目でチャートを確認しなくともプログラムを実行させておくだけで、勝手に買いシグナルを見極め売買を行い利益を出してくれます。

公開されているEAにも様々な種類があり移動平均を使うもの、一目均衡表を使うもの、T/P(take profit 利益確定ライン)とS/L(stop loss 損切ライン)が予め何pipsなのか設定されているもの、T/PもS/Lもチャートからアルゴリズムに基づいて取引の度に独自に設定するもの多種多様です。
この中から自分のトレーディングスタイル哲学と現在の相場観にあったものを選んで使用します。