今月4日米労働省が4月の雇用統計を発表しました。

非農業部門雇用者数は予想の19.2万人を下回り、結果は16.4万人

失業率は、2000年12月以来17年4ヶ月ぶりとなる3.9%まで低下、先月比0.2ポイント改善しました。

アメリカの失業率が大きく改善していることが明らかになった半面、今回の雇用統計で浮き彫りになったのが賃金の伸び悩みです。平均時給は前月比予想+0.3%に対して、結果は+0.1%に留まりました。

予想を上回る数字を出せたのは失業率のみで、やはり大きなサプライズこそありませんでしたが、
非農業部門雇用者数、平均時給ともにプラス方向であることには変わりはなく、米労働市場の堅調さと米経済の健全さを示す結果だったと思います。


4月雇用統計












今年の米利上げはあと2回か

ボスティック総裁はこれまで、米経済は今年は2回の利上げしか耐えることは出来ないとの見方を示していましたが、4日にはその確信が強まったと表明しました。
「経済は機能しており、かなり明るい。税制改革による刺激はまだ十分にある上、財政政策も実体経済に対しまだ影響を及ぼし続けている。このため、上向きの潜在力はまだ潤沢に存在している」として、こうしたことを根拠にインフレ率は中期的に2%付近で推移すると予想していると述べました。

少なくとも今回の雇用統計が(あと3回利上げの可能性が薄まったようですが)FRBの軌道を大きく変えるようなものではなかったことが伺えます。

6月の利上げは予定どおり実施されるとみて間違いはなさそうです。


米10年債利回り













今回の雇用統計での失業率低下に反する賃金低下を受けステートストリート・グローバルアドバイザーズの首席投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「FRBは今後も賃金がなぜ上昇しないのか答えを模索し続けるとみられる」と述べました。

労働市場のスラックが解消されれば、失業率低下が賃金を押し上げ、物価上昇圧力につながります。
こうした好循環が生み出されれば、さらなるドルの上昇と米経済の拡大が見込まれるものと予想できます。米中貿易摩擦というリスクを抱えているものの、まだまだドルは底堅くアメリカの景気後退はまだ先の話となりそうです。
考える宮子