新規公開株(IPO)の魅力、初値で売るだけで大きなリターンが得られる


「IPO」(Initial Public Offering = 新規株式公開)とは、未上場企業が新たに証券取引所に株式を上場することです。上場前に安く手に入れることによって、特に難しい知識もなくただ初値で売るだけで多くの利益を生むことができます。


IPO株の過去の勝率と利益額を過去のデータを参照して紹介してみます。






まずは昨年、2017年の新規公開株のデータです。
IPO上場総企業数90社、そのうち初値が公募価格を超えた数が82社、割合にして92%の企業のIPO株が初値で売るだけで利益を出せたことになります。昨年は特に「AI(人工知能)」や「人材不足」をキーワードとした株式に人気が集まったようです。



続いて公募価格と初値価格の差と利益額(100株保有していた場合)をランキング形式で見てみましょう。


1位 トレードワークス (情報、通信)  
公募:2,200円  初値:13,600円 倍率:6.18倍 利益額:1,140,000円

2位  ヴィスコ・テクノロジーズ (電気機器)
公募:4,920円 初値:15,000円 倍率:3.05倍 利益額:1,008,000円

3位 ユーザーローカル (情報、通信)
公募:2,940円 初値:12,500円 倍率:4.25倍 利益額:956,000円

4位 サインポスト (情報、通信)
公募:2,200円 初値:8,530円 倍率:3.88倍 利益額:633,000円

5位 ビーブレイクシステムズ (情報、通信)
公募:1,670円 初値:7,700円 倍率:4.61倍 利益額:603,000円  


去年は100株保有して初値で売り出すだけで利益額が100万を超える企業が2つもあり、勝率も92%とIPOがかなり好調な年でした。





続いて2016年のデータです。
IPO上場総企業数83社、初値が公募価格を上回った企業が67社で割合は81%でした。
この年は「クラウド」や「ビッグデータ」をキーワードとしたIPOに注目が集まりました。



1位 グローバルウェイ (情報・通信)
公募:2,960円 初値:14,000円 倍率4.73倍 利益額:1,104,000円

2位 アトラエ (サービス業)
公募:5,400円 初値:12,720円 倍率2.36倍 利益額:732,000円

3位 イノベーション (情報・通信)
公募:2,770円 初値:8,700円 倍率3.14倍 利益額:593,000円

4位 AWS HD (情報・通信)
公募:2,490円 初値:8,350円 倍率:3.35倍 利益額:586,000円

5位 カノミックネットワーク (情報・通信)
公募:3,000円 初値:8,600円 倍率:2.87倍 利益額:560,000円





2015年のデータです。
IPO上場総企業数は92社そのうち初値が公募価格を上回った企業は82社で割合にすると89%でした。以下ランキングです。



1位 ネオジャパン (情報・通信)
公募:2,900円 初値:14,550円 倍率:5.02倍 利益額:1,165,000円

2位 エムケイシステム (情報・通信)
公募:3,500円 初値:15,120円 倍率:4.32倍 利益額:1,162,000円

3位 アイピーシー (情報・通信)
公募:2,920円 初値:10,250円 倍率:3.51倍 利益額:773,000円

4位 テラスカイ (情報・通信)
公募:1,700円 初値:7,650円 倍率:4.50倍 益額:595,000円

5位 ジグソー (情報・通信)
公募:2,390円 初値:8,040円 倍率:3.36倍 利益額:545,000円











新規公開株(IPO)応募の流れ



①上場承認、IPOスケジュールの発表
上場を目指す企業は、まず主幹事証券会社となる証券取引所での上場審査を受けます。複数回のヒアリング、公認会計士面談、社長・監査役面談、証内決済などを行う標準審査期間があり、その中で企業は形式基準という最低限クリアしなければならない定量的な側面を確認する基準と、実質基準という上場審査の中心的な内容となる定性的な側面を確認する基準をクリアしなければなりません。



形式基準の主な内容は、上場時の株主数、公募・売出し、流通株式数、純資産の額、利益の額または時価総額、事業継続年数、監査意見、株式事務、合併などの見込み、などです。



実質基準は実質審査基準とも呼ばれ、金融取引所の基準内容に従って、企業の収益性、健全性、事業計画の合理性、リスク情報等の開示の適切性、企業の存続性、成長可能性、信頼性、健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立など、様々な側面から企業を審査します。



上記の審査を無事通過できた企業は、証券取引所から上場を承認され、IPOスケジュールが発表されます。









②仮条件の決定

IPOの仮条件では、ブックビルディングにおいて申し込める価格の範囲を決定します。上場承認を受けてからおよそ2週間後、上場日の15~20日前に発表されます。仮条件の価格は想定価格を基に機関投資家の意見を考慮して幹事証券会社が決定します。提示された仮条件でIPOの目的(資金調達等)が達成できない場合は、上場の延期・取消という判断をする可能性があります。










③ブックビルディング

「ブックビルディング」とは日本語では「需要申告」と呼ばれ、企業が上場する際、1株あたりの新株発行価格を決める方法のひとつです。



投資家たちは「OOO円で☐☐☐株 購入したい」という希望する株価と株数を申告します。その後、主幹事証券会社は申告された「購入希望株価」と「購入希望株数」を考慮してIPOを行う企業と協議し、「公募価格」を決定します。



人気の集中する銘柄は上限価格で決まることが多いので、購入したい場合は上限の株価で申し込みましょう。公募価格よりも下回る価格で応募した場合は抽選対象外となってしまいます。
例)A銘柄 仮条件:2,000円~2,300円  / 購入単位:100株
       B銘柄 仮条件:1,200円~1,400円 /     購入単位:100株 
A銘柄の株を100株購入したいと申し込む場合、2,300円×100株で23万円が必要となります。
B銘柄の株を300株購入したいと申し込む場合、1,400円×300株で42万円が必要となります。
尚、抽選する際、購入する株数が多い方が当選しやすい傾向があるので、どうしても欲しい銘柄がある場合は資金を集中して出来る多く申し込んだ方が可能性が高まります。



ビッグブルディングの期間はたいてい株式公開の9日~14日前の5日間ぐらいと短いので、スケジュールをよく確認して参加を逃してしまわないよう注意しましょう。












④入金、資金拘束のタイミング

IPOに申し込む場合、証券口座にお金を入金しますが、いつまでに入金しておけばいいのかというタイミングは証券会社によって違います。入金した資金が拘束されるタイミングも証券会社によって異なり、遅いところでは、IPOに当選してから拘束する証券会社もあります。最も早いところはIPOへの申し込み~抽選時に資金を拘束する証券会社なので、どこの証券会社を利用する場合でも、ブックビルディング前に入金しておけば、間違いはありません。



当然どこの証券会社も、資金拘束前に入金しなければならないので、資金力に乏しく頻繁に資金繰りをしなければならい個人投資家の方は自分が申し込む証券会社の入金タイミングと資金拘束されるタイミングをしっかりと確認し、把握しておきましょう。











⑤抽選

IPOは資金さえあれば、全員が購入できるわけではありません。ブックビルディングによりIPOに申し込んだら、次は申し込んだ各証券会社によって抽選が行われます。その抽選方法も証券会社によって様々で、完全平等抽選が行われたり、過去の取引回数や成果により当選確率が変動する場合もあれば、その証券会社の利用歴が長かったり資金力が豊富な個人投資家(いわゆるお得意様)が優先的に選ばれる場合もあります。自分の当選率を上げるためにも利用する証券会社の抽選方法をよく知っておく必要があります。











⑥購入申込

IPOの抽選に当選したら、期限内に「購入の申込」をする必要があります。決定した公募価格で「購入申込」もしくは「購入辞退」の意思表示を行ってください。これを行わないとせっかく当選したIPO購入の権利を辞退したと受け取られ、別の方が補欠当選となってしまいます。











⑦上場

いよいよIPOの上場日です。東京市場の始まりと同時に初値で売っても構いませんし、その後値上がりが期待できるなら、持ち続けるという判断をしてもよいでしょう。株価が公募価格を下回って、それから長い期間塩漬けになってしまうという事態を避けるなら、多少損失が出たとしても初値で売ってしまうのが最もリスク回避的な選択だと思います。



2013年以降のIPOを初値で売った場合の勝率は8割を超えています。運悪く購入したIPOの初値が公募価格を下回ってしまった場合でも、値上がりする期待が持てない株を持ち続けるよりは機械的に初値で売却して次のIPO申込のための資金を確保した方が賢明です。いくらIPOの勝率が高いといっても100%勝てるわけではないので、ブックビルディングに参加する前にその企業の業種と提供しているサービスおよび業績はしっかりと確認しておきましょう。