1. 米10年債利回りがはっきりと3%を超える
  2. ドル円チャート分析
  3. ドル円の上昇トレンドはどこまで続くのか
  4. 円安はどこまで容認されるか、調整は入るのか










米10年債利回りがはっきりと3%を超える


米10年債利回り0519

アメリカの10年債利回りは、15日移行はっきりと3%を超え、借り入れコスト上昇局面の長期化が現実となってきました。こうした状況がドル円を4カ月以来の高値へと押し上げています。


今後の米国債利回りとドルの上昇が定着するかどうかは、ヘッジファンドとその他投機筋の行動に左右されます。過去10年間の投機筋のポジションの転換点と、米国債およびドルの転換点には強い相関関係が見られ、この相関関係が現在も有効ならば、ドルは堅調に上昇を続ける可能性があります。


米10年債利回りとCFTCの投機筋ポジションは、金融危機以降ほぼ「売り持ち=利回り上昇」、「買い持ち=利回り低下」という関係が続いており、現在のドルの売り持ちは40万枚超と7年ぶりの規模になっています。


現在の米国債の上昇を受けて、年金基金や保険会社、資産運用会社、外貨準備運用担当者などさまざまな投資家層からの資金を呼び込むことが予想されます。これによりドルは売りポジションが解消され買い戻りが始まります。それらの資金流入は、今後の利回り押し下げの原因となります。
ヘッジファンドや投資家たちのドル買い→米利回り押し下げ→ドル安
という流れで為替へ影響を及ぼす可能性があるということです。逆に今回の米利回り上昇によって巨額のドル買いや資金流入が見られなければ、今後もドルは底堅く推移していくものと見られます。













ドル円チャート分析

ドル円日足・一目均衡表

0519一目均衡表USDJPYDaily

転換線が基準線を上抜け、ローソク足も雲からかなり離れ上値が軽いことが伺えます。
現在もまだ雲に厚みがあるため、信頼性のあるトレンドが継続していると判断しています。







ドル円日足・SMA・ADX

0519ADXMAUSDJPYDaily

SMA青(112日線)紫(56日線)赤(14日線)・ADX(21日)
12日線が先月の16日頃に56日線を上抜けており、これから112日線を上抜けるかどうかというところですね。
ADXでは+DIと-DIとの間にかなりの開きがあります。









ドル円の上昇トレンドはどこまで続くのか

米長期国債利回りだけでなく、原油先物価格も米指標油種のWTI6月渡しが3年5カ月ぶりに71ドル台に乗せるなどして、米経済の堅調な成長が見られています。


ドル円だけでなく、ユートドルでも大きな変化が起こっており、ユーロは対ドルで1年2カ月にわたり20%超のユーロ高ドル安を続けて来ましたが、5月にかけてそれまでのトレンドラインをブレイクしてユーロ安ドル高への方向転換が見られます。ドルインデックスを見ても主要通貨全般に1年以上続いたドル安がトレンドを転換しドル高へと向かい始めています。


ここまでドルが底堅い推移を続けるのにはいくつかの要因が考えられます。
その一つが米国政治と政治に対する見方の変化でしょう。昨年半ばのトランプ政権に対する評価は散々なもので、予算教書のはっきりとした内容がいつまでも示されず、イスラム圏7カ国からの入国禁止令は裁判所に差し止められ、医療保険制度改革法代替法案やメキシコの壁建設についてもめどが立たず、昨年5月初めには当時のコミー連邦捜査局(FBI)長官を解任しロシア疑惑に対する懸念が強まりました。
しかし、昨年末には当初難しいとみられた減税法案を成立させ、今年序盤には市場の懸念材料だった債務上限や暫定予算の期限延長に成功しています。貿易問題に対しても、一時は貿易戦争が危ぶまれ、トランプショックだと叫ばれたりもしましたが、結果的には韓国との自由貿易協定(FTA)の見直しまで漕ぎつけています。このようなトランプ政権に対する不信感と絶望感の解消がドル売りトレンドを転換させた要因の一つだと考えられます。


もう一つの要因としては、2018年に入り世界景気回復の勢いが鈍化し、悲観的な見方が広まる中、景気拡大を続けるドルに投資家たちが回帰してきた可能性です。


2017年には、カナダ中銀は7年ぶり、英中銀は10年ぶりの利上げに踏み切り、世界的な同時回復、株高が見られました。こうした中で投資家たちが「次の緩和解除国」を探して資金を動かしたため、ドル安が引き起こされた可能性があります。


しかし、2018年に入り世界景気回復の勢いは鈍化し、主要先進国におけるPMIなど景況感指数はピークアウトがみられ、株価も世界的に調整・もみ合いといった状況です。各種経済指標の弱さから、5月にも追加利上げ期待があった英中銀はこれを見送り、欧州中銀(ECB)に対する量的緩和解除期待も一時より後退しています。


2018年以内にもピークを迎えるだろうと予想されてきた米経済したが、昨年末の減税法案の成立と米10年国債利回りの上昇によってその予想は裏切られ少なくとも、今年の中間選挙か来年中までは成長を続けるのではないかと思います。

現在すでにドル円は110円台に定着するどころか一時111円台にまで上昇を見せています。
2018年は105~110円の間で上下すると予想していたアナリストもいましたが、国債利回りの上昇や雇用統計での失業率の低下から見てもこの予想は甘かったと言えるでしょう。
このままの急激な上昇を今後も継続していくとは考えにくいですが、長期的には112~113円台まで到達する可能性は十分にあると思っています。












円安はどこまで容認されるか、調整は入るのか

110円を超えた程度では、調整や為替介入が入ることはなく、米国景気が好調なうちは円安は黙認されるのではないかと思っています。確かに現在日本は先の日米首脳会談で二国間での新たな貿易協定を作成してほしいと釘を刺されている形です。アメリカが日本に対する貿易赤字を意識しているのは確かであり、日本側としても鋼鉄アルミ関税の対象国から外してもらっていて、さらに自由貿易を求められている立場なので円安政策はとりにくい状況にあります。


しかし、現在の110円や111円を超えた付近での為替介入は考えにくく、最低でも直接的な介入があるのは115円台に入ってからではないかと予想しています。113円台以下まだまだ黙認されるレベルのレートではないでしょうか?