自動車と関連部品を対象とした輸入関税


トランプ米大統領が検討している輸入車関税ですが、現在アジアの自動車各社及び今回の関税で大打撃を受けると考えられている独自動車会社もそれほど大きく株価を下げていません。


日本のトヨタ自動車は3%余りの下げ、ドイツの主要自動車メーカーBMW、ダイムラー、フォルクスワーゲンの株価下げ幅も3%にとどまっています。



もしこの輸入制限が本当に発動されれば、世界市場は大きく混乱することは容易に想像できます。2017年に米国で販売された車の生産国のうち日本は約11%170万台、金額にして410億ドルを輸出しています。
ドイツは4%で、25%の関税が施行された場合、ドイツ銀行の分析によると、BMWだけで22億ドルの利益が吹き飛ぶと予想されています。



現在アジアの自動車大手の多くは既に米国で生産を行っており、米国で生産された自動車に対しては関税は適用されません。トヨタの場合、ケンタッキー州やインディアナ州などの工場を構え、アメリカで販売されている日本車の50%以上を既に現地生産しています。ホンダに関しては現地生産の割合がすでに約70%に上ります。仮に関税政策が実施されたとしても各メーカーが現地生産を拡大することでコスト増の一部を回避できると多くの投資家が考えているのが、市場が楽観的である理由のひとつだといえます。


もう一つの理由は先ほども言った通り多くの投資家がこの政策を実現性の低い単なる脅しだと考えているからです。トランプ氏は今回と同じ安全保障上の理由で鋼鉄・アルミ関税を導入しました。しかし主な標的である中国よりも同盟国への影響から結局態度が軟化し、無闇に市場の混乱を招いただけで目立った成果は韓国とのFTA交渉成立くらいしかありませんでした。
経済的もしくは選挙対策として有用ならば法律を貿易戦争の武器とすることも辞さないトランプ氏のやり口も、もはや世界中のエコノミストたちはよく理解しています。
北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でカナダやメキシコから譲歩を引き出すための戦術にすぎないと受け止められているのかもしれません。


さらに関連部品への関税は主に中国への大きな打撃になりますが、それと同時に生産コストの安い中国からの輸入に頼っているアメリカの自動車会社にとっても打撃となります。
トランプ輸入車関税は米国の生産者および消費者どちらにもマイナスに作用するため、自国の産業を守るという目的から大きく外れた政策になりかねません。

















影響を受けるであろうと考えられる銘柄


米国の自動車輸入関税の発表後から、トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車、日産自動車、マツダといった日本の自動車株は軟調な動きを続けています。
この輸入関税が単なる脅しで終わり実現されなければ、円高も一服し各社の株価も再び上昇し始めると考えられます。現在中国が発表している輸入乗用車に対する関税引き下げも価格復帰の後押しとなるでしょう。


トランプ氏の輸入車関税の行方が不透明な中で上昇すると考えられるのは、自動車情報を調べる情報プラットフォーム事業です。マークラインズ(3901)などの海外へも事業展開しているWebサービス企業などは、今後の市場動向によって需要が増加する可能性があります。